詩集 悲しみの揺籃
1965年前後に、高い精神性を持って
綴った詩の数々を再編成した詩集。
わたしはわたしの掌のなかに/夜をすくいあげて包みこみたい/やがて夜はわたしの掌のなかで/自分の暗さに驚いて…(本文「わたしはわたしの掌のなかに…」より)。若い頃から詩に取り組んできた著者の作品の中から、1965年前後の作品56編を再編成した。人生について、魂について、愛について……。素朴な言葉遣いが主流の現代詩とは一線を画した古風で硬質な表現からは、美しく生きようと渇望する高い精神性が感じられる。読み手に確かな手応えを与えてくれそうな独特な詩世界が広がる、魅力的な作品集。