ゆらぎと甘え/心拍数のゆくえ
挫折感を胸に生きる小町、罪悪感と理性を胸に秘めた冴子。
二人の女性を描いた小説集。
小町はまた、挫折感というあの心の暗闇の世界ですごさなければならないかと、ただただ落胆するばかりだった。冴子は、なぜ、自分の過去の間違いが払拭できなかったか反省した。なお遠い「夢」を追う小町の物語「ゆらぎと甘え」、想像の被害者を弔いながら海外赴任で国を転々とする冴子の物語「心拍数のゆくえ」……心に傷を負って生きる女性を丹念に描いた二作の小説を収載。