百の幸せを追いかけて
母親の死に直面した息子が
波乱に満ちた母親の生涯を静かに回想し、今、その想いを語る。
「芳樹は走り続けてきた母に、少し休養してもらいたいと思う反面、ずっと走り続けてほしいとも思った。走り続けることが、芳樹たち子どもの『たあたん』なのだ」(本文より)。母親の死に直面した息子が、親の愛情を求めた少女時代、束の間だった結婚生活、飢えから子どもを守ろうとした戦時中、と、波乱に満ちた愛する母親の生涯を静かに回想する。