こうた、もどっておいで
時を経て、二〇二〇
愛ゆえに追いつめられた母親は我が子を……
障がい児の現実をリアルに切実に描いた物語。
「この子がいなかったらね」母親たちにとって、それは冗談だったはず……。明らかに育てにくい子だけど「障害児」かどうかはあいまいで、受け入れてもらえないことに追いつめられた「こうた」の母は、越えてはならない一線を越えた。周囲の人々の声を拾う形で浮かび上がる当事者母子の苦悩……障害児を持つ母が現実を投影して描いた大反響の小説を、年月を経て再出版。
※本書は、2006年に東京図書出版会から発行された『こうた、もどっておいで』に加筆し、再編集したものです。