八歳の記憶
─一九五三(昭和二十八)年─
一九五三年、一家五人が汽車とリヤカー行脚で
各地を放浪した壮絶な日々を綴る。
“もう、あの時から七十年近い年月がたつ。……あの時が、私の人生の大きな転換点でもあったのだろう”。引き揚げ後、福岡県の炭鉱住宅から東京へ行った一家。朝鮮戦争後の不況で、父親は定職に就けず、人を頼って突然九州へ。しかし、ご馳走と温かい布団は一夜限り。再び東京へ、静岡へ……。1953年、一家5人が汽車とリヤカー行脚で各地を放浪した壮絶な日々を綴る。