淑女は謎とコーヒーの香り
作家志望の京本香織の作品を通して、
大学生の藤田礼二が愛とは何かを知ってゆく物語。
作家志望の京本香織と偶然出会った大学生の藤田礼二は、彼女の作品や生き方に触れていくうちに、「愛とは何か」を知る。香織の描く小説の世界では、登場人物が即興詩を読み、短編を綴り、さらにその短編中の人物が、また詩を読む。合わせ鏡のように次々に続く作品群が浮かび上がらせるのは、青年たちの夢、苦しさと、「自分は何ものか」「どこへ向かっていけばいいのか」の問いである。