枇杷の木の下で
大正末期から戦後にかけて激動する時代の中で
数奇な運命をたどった三姉妹の物語。
お転婆でしっかり者の長女、器量よしの次女、おとなしい三女。一人ずつ女中がつく何不自由のない生活だったが、両親が相次いで病死し、生活は一変する。叔母に引き取られ、その後次女・連は岐阜へ養女に出される。連の婚礼の日以来、会っていなかった妹・郁が、ある日、突然、連のもとへ訪れてきた──。連を軸に、三姉妹の大正末期から平成にかけての半生を綴る情感豊かな物語。