断層の昭和
偽りの沃野
満蒙開拓団が夢見た地は、
多くが現地の人々から安く買い叩き、奪った偽りの大地だった。
およそ27万人といわれる満蒙開拓団。20町歩の土地持ちになれるといわれ旅立った人は多かった。しかし、その土地は多くが現地の人々から安く買い叩き、奪ったものだった。五族協和、王道楽土といいながらも、その国家の土台はもろかった。そこには歴史の闇に埋もれさせられようとする、大きすぎる真実があった。戦争の実相を描き切る徹底した描写──昭和の裏面史に肉迫する歴史小説。