常住のともしび
キリスト者として信仰と向き合ってきた
著者ならではの視点が光る『平家物語』論。
「諸行無常、栄枯盛衰」といわれた平家の趨勢をたどりながら、闘いにおける源平両軍の死に際にあらわれた信仰や、残された者のその後、当時の仏教思想にも目を配る。そして著者は、『平家物語』の「灌頂巻」に描かれる建礼門院の晩年の信仰の姿に、『平家物語』の作者が伝えたかったことがあるとの結論に至る。キリスト者として信仰に向き合ってきた著者による『平家物語』論。