一芸身を助く
日中戦争のさなかに表彰された少女期の窮乏生活を振り返る
昭和1ケタ生まれの半生記。
大陸への出兵兵士の見送りが盛んな頃、6歳から母に代わり兄弟の世話や家事をし、病弱な母の世話までする親孝行な子と巷で評判になり、日中戦争のさなか市から孝子として取り上げられ表彰される。珠算塾に通うも空襲が始まり学童疎開・家屋疎開を経て敗戦を迎える。転々とし沖縄帰還後はさらに貧しい生活に……。人生十人十色、昭和1ケタ生まれの女性が振り返る実感のこもったエッセイ。