父親と息子
─家族の物語─
ひたすら待つ、待ち続ける、そのことが希望──
親子三代、父と子の関係を真摯に綴った。
時々躁鬱の状態になったと母は言うが、趣味で昇華したのか、清には平凡な善人と思えた父。蒸気機関車の運転手として自負を持っていた父。だが振り返ると、自分の青春の彷徨いに、父はどれほど耐えたのか。息子とのコミュニケーションが断絶してから、清は父と自分の関係を改めてとらえる。息子への期待が果たされず苦しむ日々を包み隠さず綴った三代にわたる父子の物語。