緑陰の花
裏切られても尚、一途に愛を貫きとおす
一人の女性の数奇な運命を描いた幻想小説。
「地上の花にも、太陽の恵みにもあずかることのできる幸運な花と、その恵みにもあやかれず、暗い木陰に人知れずそっと咲く不運な花とがあるものです」若き日の詩作を原点に十数年の構想期間を経て、イギリスの作家ゴールワージーの『林檎の木』という小説をヒントに、愛の不毛が問われる現代社会へ向けて、結核療養所を舞台に、一片の崇高な愛の形に光を当てて描いた物語。
※本書は2003年11月に新風舎より刊行された単行本に加筆・修正したものです。