イデアと物のあはれ
日本文明の源泉と特徴をホワイトヘッドの有機体の
哲学に基づき明らかにしようとした試み。
著者はホワイトヘッドの研究者。本書で、有機体的世界観に基づいて西洋哲学における人間中心主義的な思考を批判し続けたホワイトヘッドの思想と非論理的で情的な世界観を持つ日本文化との共通性を浮かび上がらせようとした。そして、小林秀雄が『本居宣長』で述べた物のあはれ論はプラトンのイデア論と双璧をなす、哲学上の大原理であり、日本文明の創造原理であると結論付けた哲学論考。