インタビュー

先日発売された、『成功する男はみな、「女子力」を使う〜女性社員に好かれる24の法則』。この本は、初めて女性の部下を持つ30代男性をメインターゲットにした、女性活用術を説くビジネス書で、女性ならではの視点で書かれた、男性では気がつかない「アルアル感」が共感を呼んでいます。そんな話題の本の著者、角川いつかさんにお話を伺いました。

――― 今回の本はタイトルに「女子力」という言葉が使われていますが、
これは新たな意味合いをもつものですね。

「そうです。世間的には女子力と言うと、女性のセクシャルな魅力、目ヂカラなどを指し、女性が使いますが、ここでは『男性が女性の魅力や可能性を引き出し、伸ばす力』として使っています。男性がオフィスでさらに力を出すためには、女性を味方につけることが大切だということを伝えています」

――― 読者のみなさんは、その「女子力」が必要になる男性達ですが、数多くの成功者と接してきたいつかさんは、これから会社で主力になる最近の30代男性達を見てどう思われますか?

「現代の男性は、とても洗練されたイメージがあります。ちょっと前の時代だと自己主張をしっかりする人、“出る杭”になっても勝つ人が多かったと思うんですが、『KY』という言葉がはやるように、今の30代の男性は“出る杭”にならないようにしている感じがしますね。競争社会ではなく協調社会に育ってるのかなぁ」

――― 今回の本はそんな協調社会に育った世代を盛り上げていく本だと思いますが。

「そうなんです。彼らにはみんなと仲良くというのがベースにあるので、『女子力』を身に付けることは簡単なことだと思うんです。ただ、ちょっとしたポイントに気が付いていないだけ。性差という壁が存在することや、女性にとっておしゃべりは快楽だということなどです。
私は最近、男性の女性化が進んでいると思うんです。だからこそ、今『女子力』に気が付くことは、大変いい転換点になると思うので、職場の女性社員との人間関係に悩んでいる方や、最近昇進したという人にぜひ読んでいただきたいですね」

――― 今回、座談会をされていますが、女性社員のみなさんの声を聞いてみて感じたことはなんでしょうか。

「みなさんすごく素敵な女性ばかりなんです。ただ、この時代に仕事をすることが昔とは別の意味で大変で、ちょっとかわいそうだなと思いました。私の若いころはバブル世代だったので、何でもアリの時代が懐かしい気がします。今は、ドラスティックなことはないし、セクハラ、パワハラの意識が浸透してきていることで、男女間の交流の場が変に制限されたり、いつのまにか縛られているルールを意識することで損をしてしまうこともあるのではないかと。コミュニケーションをとることが大変な時代に変わったんですね。男女問わず、合理的で人間関係が希薄な世の中になったぶん、ハードルが高くなり、上手な自己主張が必要な世の中になったんだと思います」

――― この時代に会社で働いていたら、どんな上司になっていたと思いますか?

「『プラダを着た悪魔』に出てくる、バリバリSのメリル・ストリープみたいな上司(笑)。影でみんなに悪口をいわれていたり、それでいてお酒飲むと泣くような。そんな上司になっていると思うからなりません(笑)」

――― では、どんな上司に出会いたいですか?

「私の著書に、『成功する男はみな、非情である。』という本がありますが、私を作家にしてくれた編集者は、「実は、成功する男ほど情けがあるものだ」と教えてくれました。上司にできるなら、情はあるけれどビジネスの線引きがきちんとしていて、頼れる人。判断力、統率力があってリーダーの条件を兼ね備えた、誰かに自慢したくなるような人ですね。先ほども言いましたが、そういう人物が女性の魅力を引き出してくれる人だと思います」

――― 最後にみなさんにひとことお願いします。

「男性はもちろん女性の方も読んでください。上司にプレゼントしてください。男性も女性も、上司との関係性を風通しのいいものにしておいたほうが、仕事においてあなたの力を思う存分発揮できると思います」

――― ありがとうございました。