絆
失われた時を求めて
記憶喪失の男と家族との関係に悩む男。
二人の男の物語はやがて一つにつながっていく。
記憶を失い、見知らぬ街で働き始める中年男「飯島」。同僚たちに支えられて二年以上を過ごすが、ある日、突然、過去がフラッシュバックする。一方、大手スーパーマーケット本社に勤める「順一」は、職場で冷遇され、子供二人は事件を起こし、妻ともすれ違う。感情が抑えられなくなったとき、彼はナイフを手に……。交錯する男の生き様を通し、「家族」と「命」をの本質を問う長編小説。