【文庫】うそうそどき
江戸の学問所の定員30名の寄宿
稽古人の一人に選ばれた倫太郎が摩訶不思議な体験とは。
文政5年、晩春。倫太郎は、江戸で御儒者になるべく勉学に励んでいた。越後長岡の名主の次男坊にうまれた倫太郎は、幼い頃から神童と噂され、江戸に住む御家人の家と養子縁組し、学問に専念するため、定員30名の寄宿稽古人として暮らしていた。3年に一度の学問吟味に、試験問題を盗もうとした塾生の結末は──表題作ほか6話からなる、寄宿稽古人の哀歓を描いた時代連作。
※本作品は当文庫のための書き下ろしです。