まだ夢の途中
10年後の僕は小説家になる夢をかなえただろうか?
未来の自分に向けたメッセージ。
忘れられてしまうかもしれなかった。今はまだ覚えているだろうけれど、5年後は、10年後は、わからなかった。自分という存在がこの広い宇宙の小さな惑星の日本という国に埋没してしまう気がした。そしたら佐々木和也は消えてしまう。誰でもいい替えが利く誰かになってしまう。だから、絶対に「偉大な」小説家になりたかった。自分の尊厳を守るために。この社会に反抗するために。
※P176『この地で』は小澤学氏の作です。