マダム・ホサンナ
画家のKを巡る「私」と「彼女」の愛と葛藤。
桜の季節の芳醇な香りに満ちた小説。
画家のKに恋心を抱き、彼のモデルを務める「私」。ある日、学生時代の友人から手紙が届き、再会する。友人の結婚生活は幸せとは言えなかった。それぞれに孤独を持て余し、生の証の言葉を探し求めている。しばらくして、友人には、カナリアを介した「出会い」があり、私がKのアトリエに行くと、女がいた。そして、Kが完成させた裸婦像は……「美」を求め、創り上げる著者独特の小説世界。