バッカスの祭礼
それは信仰という呪縛──
真実を求めるひたむきな心は真っすぐ悲劇へと突き進む。
新興宗教の熱心な信徒である母を持つ主人公・本田は、生まれながらに信仰を精神の基盤とし、信仰による結びつきのなかで少年時代を過ごしてきた。青年になり、ある切っ掛けで自分の置かれた環境に疑問を抱いた本田は、真実を求め始める。信仰へのアンビバレンスに決着をつけるべく、閉ざされた現実に向かってそのひたむきさはいつしか思い切った行動へと彼を駆り立てていく。