銀葉集
三十一文字の宇宙に遊ぶ。
古典や数学に通じる著者が五行分かち書きでおくる第三歌集。
大時計 午前零時の 時を打ち 宇宙は今や 始まりにけり/啄木の 『悲しき玩具』 そばに置き 木箸をつつき 粥すする夜/あけぼのの 卯月の明かり 広がりて ビバルディの「春」 菜の花にふる/……日々の暮らし、古典文学、経済や歴史に関する思索などを織り込んで詠んだ歌の数々。五行分かち書きという新たな表現に挑む著者の、『心葉集』につづく第三歌集。