上総介異聞
─桶狭間の二日─
永禄三年五月十七日、今川義元が沓掛城に着陣した。
対する上総介(信長)の命運は……。
永禄三年五月十七日、海道一の弓取りと謳われた今川義元は名古屋市緑区の東で接する豊明市東部の沓掛城に着陣した。対する清須城内、宿老林秀貞始め家中の総ては言い様のない不安の下にあった。上総介(信長)の命運は……。独自の視点で描く「異聞」としての「桶狭間の戦い」。この戦で上総介は切り開かれた未来へ、時代精神を背に「信長の世界」へ舞台を迫り上がって行ったのである。