画僧月僊足跡録
衆生済度のため世間の憫笑や悪評など
意に介さず画を描きつづけた画僧の清冽な伝記。
凡そ二百三十年前。桜井雪館や円山応挙が一流と評した画才をもちながら、金の虫と蔑まれても強欲に画料を求めつづけたひとりの画僧が伊勢にいた。名は月僊。世間の悪評など意に介さず、画を描きつづける胸の内には困窮や労苦を救うための糧として画を描くという崇高な想いが秘められていた──。衆生済度のため世間の憫笑や悪評など意に介さず画を描きつづけた画僧の清冽な生涯。