啄木鳥は三度翔んだ
─天下分け目の川中島の戦い(第四次)─
琵琶の響きが乱れを呼ぶ妻女山、影武者信繁の哀史と
啄木鳥戦法が鮮烈かつ胸打つ川中島譚。
武田信玄を陰で支え、智勇を兼ね備えた弟・信繁の悲哀を軸に、越後勢の海洋的先見性と上杉政虎(謙信)の華麗さを鮮烈に描く川中島戦記。妻女山で琵琶が響く伝説的合戦や、山本勘助の「啄木鳥戦法」、影武者としての一騎打ちを史実に沿いながらも、深い哀惜と独創性を添えて描写。海と陸が交錯する対比が、新たな歴史体験を読者に約束する一冊。