あのときのあの花
─ある家族のきおく─
あどけなさをひめた少女のまなざしと熟達した大人の視点が
鮮明に刻まれた記憶を紐解く。
戦災で財産を全て失ったこと、アイスキャンデーの思い出、子ども演芸会、一家総出の大掃除という年中行事で際立っていく日常。終戦当時4歳だった少女の目を通して捉えた本書は、食糧難の時代を生きた家族の具体的な姿を記す。苦難の時代でも生活のどこかに必ず花があり心は豊かだった。イラスト、書道、俳句、詩、英語、エッセイを組み合わせ「生きること」と「時代」を浮き彫りにする。