遠い闇からの声
戦争の傷跡に苦しみ葛藤する一人の教師と
その家族の生き様を丁寧に描いた社会派小説。
戦争の傷跡に苦しんだ一人の教師とその家族の生き様を描いた社会派小説。娘の亜也子の目を通して、両親の不和や弟と母親との確執をさぐるところから物語が始まる。事実が解明される過程は、戦争がもたらした大きな悲しみ、人間の愚かさや切なさが浮き彫りになり、読む人の心を打つ。兄弟愛、親子愛、そして友情、師と教え子との関係などなど、さまざまな問題を考えさせられる1冊である。