花のように炎のように
手前勝手な男たちへの復讐心を持つに至った若妻と、
不遇の男の哀切を極めた物語。
夫の仲間に体を弄ばれ深く傷ついた香穂と、職を失い泥酔していた鋭助。二人の再会は、深夜の歩道橋の上だった。香穂の夫と、相談役の松倉から慰謝料を請求され、危機に陥った鋭助を香穂が救う。鋭助は次第に香穂への共感の度を強め、ついに妻子を置いて香穂と同居し、復讐劇を進めることとなる。自己の利益しか考えない男、餌食となる男や女の群像劇であり、哀切を極めた愛の物語。