幻想家族
闇市から這い上がった父を中心に
「いちばん近くて、いちばん遠い」家族の現実を描く。
闇市で荒稼ぎをし、会社を立ち上げたワンマンな父。その横暴ぶりに耐えてきた母。父への反発から家を出た長男と次男。それぞれの道を行く長女と次女。父が高齢となったため家を建て直し、両親と長男家族は同居する。事前に十分話し合いをしたにもかかわらず、嫁姑の仲は軋みはじめ、弟妹たちも、それぞれの中にある傷や本音と向き合うことになる。家族の現実を描く小説。