秘愁
経済成長にわく昭和。
夢を抱き、男性を一途に愛した女性の足跡を描く物語。
戦後間もない長野の農村に生まれた「私」は、中学卒業後、集団就職で名古屋の紡績工場に就職。すぐに飛び出し、京都の旅館に住み込みで働きながら女優を目指す。ある日、旅館を訪れた桐生に好意を抱くが、彼は留学のために渡米。「私」は、職を転々とした末に上京し、そこで出会った秋元と同棲を始めた──経済成長にわく昭和を舞台に、一途な愛に生きる女性の心を丁寧に写しとった小説。