母のアリラン
満州から引き揚げてきた両親と5人の子供。
長女が綴る試練に次ぐ試練。ある家族の物語。
鹿児島県出身の父と北朝鮮籍の母を持つ著者が、波乱にとんだ半生を綴る。満州の職場で出会った両親は著者を連れて引き揚げ後、父の家族に反対され、母子は朝鮮に帰ることになる。だが、出発直前に父が迎えに来て、静岡県へ。国籍問題、貧困、父の放蕩、工場の立て直しと数々の試練に見舞われる一家。だが、常に父を悪く言わず、懸命に働き、子供を深く愛してくれた母が家族の中心にいた。