この街 出て行けず
“あがき”続ける一人の人間の姿を照らし出し、
「疎外感」を心に問いかける自伝的小説。
違う街に行ったら違う人生を歩いていたのか……。変わりたいのか、変わりたくないのかもわからず“あがき”続ける一人の人間の姿を周囲の人々との交わりから照らし出す。「『50年前に智衣に言われたことから、たいして成長してないな』と孝彦は思う。でも、『誰しも基本的な部分では、そんなに変われるものでもないか』とも思う」(本文より)。疎外感とは──心に問いかける自伝的小説。