大将樅
林業を家業とする山辺家に嫁いだ良が語る、
66年の家の歴史と山を巡る思い出の物語。
山辺家に嫁いで66年になる良は、今日も高松山を眺める。山辺家は「親郷の肝煎り」といわれ、町の庄屋のような存在だった。高松山は山辺家の持ち山で、里山として皆に親しまれている。その高松山に根を張る「大将樅」と呼ばれている大きな木を伐ることになり、杣夫達が集まってきて……。壮大な山にまつわる思い出と、人々が自然とともに生きていた時代を描く、なつかしさ溢れる小説。