この星に生まれて
兄たちよ、ジョンよ、駿馬よ
不幸しかもたらさない戦争だけは、ぜったいにあってはならない。
祈りにも似た思いで綴る。
著者が、幼い頃、戦時中の話を書いた体験記。大切な兄たちが、そして愛犬までもがその犠牲となった戦争。家族はただ耐え忍ばなくてはならなかった……。年の離れた長兄や次兄を、何も判らぬまま見送った駅。警戒警報の発令で、息を潜めて避難した防空壕……いろいろなことがあった。しかし、辛い生活の中にも「どの人たちにも優しい微笑があった」。