詩集 輝ける人
紡ぎ出す言葉は、それに倍する沈黙に裏付けられる。
他者への優しい視線、「生」の賛歌。
「身も蓋も/こころはうつつに/すべて為し終えたことは/もう何もない/私が私であったもの/それはもう はるかなかすみ/ただ 山なみはるかな/あおくすみきった宇宙の果たて」紡ぎ出されたことば──それは、言葉に倍する沈黙に裏付けられている。世界は「悲しみの揺籃」であるけれど、他者に対する優しい視線、自己に対する厳しい内省、それが織り成す「生」への賛歌。