永遠の初夏
全てが新しく、ときめいていた、
もう二度と訪れない、私の人生の「初夏」に捧ぐ。
どれくらいの時が経ったか。時間が止まったのではないかと錯覚した。閉じていた眼を少しずつ開けながら、私は迷い子のように辺りを見渡した。寄せては返す波打ち際と、碧い水平線がくっきりと目に映る。いつまでも美しく、どこまでも果てしない風景が「永遠」に見えた。古い衣を脱いで、新品の衣に着替えるように、今日は新しい私が発露した。人生が動いている。(本文より)