なんにもない部屋
─尾崎放哉とその忘れ得ぬひと─
自由律俳句の第一人者、尾崎放哉。
その生き方を知ると、彼の句がより胸にせまる…。
尾崎放哉の伝記小説。「咳をしてもひとり」でも知られる、尾崎放哉は、種田山頭火と並び称される、自由律俳句の第一人者。東京帝国大学卒のエリートでありながら、職と家族を捨て、寺男となり、孤独と貧窮のなか俳句を詠み続けた。その放哉の生涯を、俳句とともに追う。そして、若き日の初恋に刮目し、その実らなかった恋が放哉にもたらしたものとは何か。