方斎の秘薬
家康の謀
戦国時代の頂点に立った武将と、
徳川三代を支えた医家一族による、激動の大河小説。
「この恩は決して忘れぬぞ。儂が世に出た暁には、必ず改めて礼をするぞ」と言って、若者は、身に帯びた短刀一振りを方斎に与えた。若者の眼が涙で曇った。二人が暫し、じっと見合った後、若者・松平竹千代、後の徳川家康は、名残惜しさを振り切るが如くにさっと身を翻して、馬上の人となった。(本文より抜粋)……戦国時代の頂点に立った武将と医家による、激動の大河小説。