─昭和レトロ─ それでも グッドオールドデイズ
遠い日々の匂いが胸を衝く。
昭和の原風景と家族の息づかいを綴る自叙伝的エッセイ集。
軍靴の足音が近づく昭和初期、東京・本郷の幼子が見上げた空には鬼ごっこと紙芝居、井戸水の涼、銀座のネオンが交差していた。幼稚園の歌声、原っぱの蜻蛉、芦名の潮騒──笑いと涙が交互に揺れ、やがて敗戦の影が背伸びを奪う。激動を潜り抜けた一家の記憶を、ユニークはゼネラルの信条で掬いあげた自叙伝的エッセイ集。懐かしさと驚きが世代を超えて心の襞をそっと撫でる。