瘋癲老人奮戦記 紅葉且つ散る
六十五歳、介護保険証と免許騒動。
笑いと無常が胸を刺す、老いを描く小説二編構成。
定年後の男が免許取得に挑み、教習所から明石の試験場まで悪戦苦闘。追加料金四十一万強、初ドライブで事故続発、Uターン追突や車庫入れ、丹後半島で小川へ突進の惨事も。小枝子の「ルー・シー・サイ・モク」に抗し、免許証を家族に廃棄される前篇と、薄緑の封書が突きつける六十五歳介護保険証に「生き甲斐は無為」を掲げ老いと対峙する後篇。笑いの裏に生の痛みが滲む小説。







